
良いセンスを作る色:アルモクロミア
色は、個人のスタイルを形づるうえで最も重要な要素の一つです。ジャケット、シャツ、そしてネクタイを選ぶとき、本当に差を生むのは単独の色ではなく、それらをいかに組み合わせるかです。
アルモクロミアの考え方は、まさにこのバランスをつくるためのものです。色はそれぞれ固有の印象を持ちますが、実際の装いでは常に他の色と一緒に存在し、相互に視覚的な影響を与えます。
トップスの装いでは、シャツ、ジャケット、ネクタイの3つがとくに重要な色の要素です。ネクタイは無地とは限らず、柄様やモチーフを持つことも多く、色の選び方をより重要にします。
では、如何にして正しく、心地よく、バランスのよい色の組み合わせを作るべきでしょうか。自然な感性を持つ人もいれば、色に対する感度の高い人もいますが、それだけでは足りないこともあります。
アルモクロミアの技法
アルモクロミアとは、ある色が他を圧してしまうのを避け、視覚的な調和をつくることを意味します。この技法は、あまり知られていない一方でとても効果的で、あらゆるシーンで正しい組み合わせを導きます。
毎日私たちは「どのジャケットか、どのシャツか、どのネクタイか」を選んでいます。目標はいつも同じで、上品な組み合わせをつくることです。
2つ以上の色を組み合わせると、次の2つの結果のいずれかになります。
- 色が互いを引き立て合うアルモクロミックな組み合わせ:調和があり、クリアでエレガント
- ある色が他より強く出るディスクロミックな組み合わせ:乱れた印象で視覚的に心地よくない
調和した色の組み合わせをつくる方法
色は物理現象であり、そのため明確なルールに従います。調和した組み合わせを導くのが色彩計測です。
色は大きく2つに分けられます。
- 暖色:黄色の要素を含む色(黄色、ブラウン、キャメル、クリーム、アイボリー)
- 寒色:青の要素を含む色(ブルー、グレー、サックスブルー、オフホンワイト)
例えばブルーとグレーのように寒色どうしを組み合わせると調和が生まれます。一方でキャメルやクリームのような暖色に、ネクタイのブルーのような寒色を加えると、対比が生まれディスクロミアになります。
比較で見る2つのコーディネート

Armocromia OK
Image A. ブルーとグレーのように寒色どうしを組み合わせると、調和が生まれ、クリアでエレガントな印象になります。

Armocromia NO
Image B. キャメルやクリームのような暖色にブルーのネクタイを合わせると、対比が強く出てバランスを失います。

基本ルール
基本ルール1
- 良いセンスとは調和のある色の組み合わせ
- 効果的な組み合わせは必ず調和している
- 成功するコーディネートはアルモクロミックな組み合わせ
基本ルール2
- 暖色は暖色と組み合わせる
- 寒色は寒色と組み合わせる
この2つのシンプルなルールを守るだけで、失敗はほとんどなくなります。
シャツとの組み合わせ:シンプルなアドバイス
基本の考え方は以下の通りです。
- 無地のネクタイ → ストライプまたは柄様のシャツ
- 柄様のあるネクタイ → 無地のシャツ
- 明るいネクタイはより暗いシャツに合わせやすい
- 暗いネクタイはより明るいシャツに合わせやすい
この段階でも、良い感覺が大切な要素です。
ネクタイを長く美しく使うためのお手入れ
良質なネクタイをいくつか持っているなら、丁寧に打かうことで長く愛用できます。基本のルールは以下の通りです。
- 同じネクタイを2日続けて着けない
- ノットを綅めたままにせず、必要なら外してから保管する
- ノットを結んだまま頭から抜かない
- 使用後は吊るすか丁寧に収納する
- しわには蒸気を用いる
- アイロンは必要なときだけ、あて布を使う
- 汚れがついたらこすらずに押さえて処理する
- 旅行時にはネクタイケースや保護カバーを使う
- 古いネクタイを捨てない。ファッションは巡り返します
ネクタイを選び、美しく着けるためのアドバイス
ノット
ノットはシャツのカラーに対してバランスが取れている必要があります。小さめの襝にはシンプルなノット、より大きなノットには開いたカラーが合います。
シャツとの組み合わせ
無地のネクタイには柄様のシャツ、柄様のネクタイには無地のシャツ。明るい色は暗い色に、暗い色は明るい色に合わせるのが基本です。ここでも良い感覺が決め手になります。
個性を表現するスタイル
アルモクロミアは厳格なルールではなく、方向性を与える道具です。限るためではなく、導くためにあります。